黄砂とPM２．５対策

PM２．５と喘息などの疾病への対策

　ここまで説明したように、PM２．５にしても、黄砂にしても、中国の経済発展によってその影響が顕著になった部分がかなり大きいといえます。

　あるデータでは、「PM２．５の濃度が２０μｇ程度を境に、発作を起こす喘息の患者が増える」とも一部報道されています。粒が非常に小さく、肺などの呼吸器系に悪影響を与える物質だからこそ、PM２．５が問題視されているわけです。しかも、毎年黄砂の時期には黄砂に付着してPM２．５の濃度が高くなるということは一般的に言われているので、これから毎年念頭において対策しなければならないということになります。

　そもそも、喘息が悪化すると、気管支炎や肺炎などの重篤な症状を招きかねません。（大気汚染とは別の話としても）「かぜ」と誤診された患者が実は「喘息」で、別の医者にかかったときには、肺炎の一歩手前だったというケースもあるくらいです。一般の喘息ですら、症状は非常に重いものです。ましては、簡単に肺に吸収されるのがPM２．５の特徴なのですから、早めに医師の診察を受けるなどの事が必要になります。

　医療用や産業用の高性能な防じんマスクとしてのN95マスクや、できるだけ小さな粒子の除去が可能な空気清浄機の設置も有用な対策となるでしょう。中国の環境問題は一朝一夕では解決せず、当然ながら日本人はこれからPM２．５対策に少なくとも数年間は追われる事になるでしょうから、家庭の中でできることから対策をする事が重要です。

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・黄砂とPM２．５対策
・黄砂がひどくなった原因は「砂漠化」
・中国の経済発展とPM2.5
・PM２．５と喘息などの疾病への対策